長期記憶における意味ネットワーク実験2の結果と総合考察
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長期記憶における意味ネットワークレポートです。
実験の「長期記憶における意味ネットワーク実験2の結果と総合考察」の部分です。
結果
意味距離と構音抑制ごとの結果を表4、図2に表した。
表4 意味距離と構音抑制ごとの平均値
図2意味距離と構音抑制ごとの平均値
2要因混合分析を行ったところ、意味距離の主効果が有意であった。(F(1,23)= 20.565 , p < .001)
考察
意味距離の主効果に差があり、意味距離が近いと反応速度が速い結果になった。
その他の条件には差がなかった。
結果から、提示されたプライム語の概念が被験者の意識下で活性化されたため、それと意味距離が近い単語は反応速度が速くなったのだと考えられる。すなわち、活性化拡散モデルを支持する結果だったと言えよう。このモデルでは、概念の距離が近いほど速くなるので、典型性効果が出ることを自然に説明することができる。
構音機能との関連性は見られなかった。
総合考察
活性化拡散モデルによって長期記憶の保存形式を説明することができる結果であった。ただし、今回は意味ネットワークモデルの階層構造も支持される結果であったので、場合によっては意味ネットワークモデルで記憶の仕組みを捉えても、あながち間違いではないと言える。
構音機能との関連性は、一切見られなかった。今回の結果から考えると、意味ネットワークと構音は無関係だということになる。もし引き続き記憶機能を構音の観点から考察する場合には、違った形式で実験を行う必要があるだろう。
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